編入関連
お前のスペック
出身:奈良高専 情報工学科 22s(2022年度入学)
席次:1~3年は7, 8位を上下.4年は9位(後述するが,推薦資格の獲得以外ではクソの役にも立たん)
TOEIC:最終 670点
資格:ない
部活:合気道部,電気技術研究会(電子工作とかする)
併願大学:九州工業大 情報工学部 情報・通信工学科(未受験),広島大学 情報科学部 一般(未受験)
志望理由
推薦が席次25%以内でも受けれたから
HPC/FPGAの研究室がある
総合大学だから学際的なことができる
西日本に住みたいから
が主な志望理由.
実際のところは,「とりあえず受けれる大学の数を増やしたい 」というなんとも公に言い難い理由で志望・受験した.
一応,当初受けるつもりのなかった情報科学科を気前よく「第一志望です」なんて言えるわけがないので,どういう研究室があるかとかを調べた.自分がやりたいHigh Performance Computing(高性能計算)をやってる研究室があったので,それを表向きの志望理由にした(表向きの理由も本心ではある).
3年ぐらいまでは電通大を受けようと思っていたが,推薦基準に達するかどうかは怪しいし,一般だと物理も英語もできなさそうだと感じ,諦めた.右往左往して,4年で第一志望を京都工芸繊維にした.工芸繊維の推薦資格を取ろうと奔走したが,4年でクラスメイトが頑張りすぎて,ギリギリ僅差で推薦資格を取れなかった.どないしようもなかったので,席次25%以内で推薦を受けれる大学を探したら,広大がそこにあった.
岡大数学科出身の数学教官が「総合大学に行きなさい ,いろいろな属性の人と関われるかどうかはめちゃくちゃ大きい」と言っており,自分はまあそうだな,と賛同していた.この会話で総合大学に行くしかないと決めた.
お前何しててん
高専の1~3年の間何してたかと言えば,部活に集中したり,旅行したり,読書ばかりしてた.あまり勉強の類を日々やっているわけではなかった.
定期テストは1週間前,もしくは前日に一気に詰め込んで臨んでいた.
2年生の時に,『CPUの創りかた』に触発されて同好会でしょぼいCPUを自作した.ここでKiCADとかの使い方を学んだ.
basyoengine.hatenablog.com
4年生
1~3年と同じく,特に目立った勉強はしていない.流石に編入を意識する頃なので,鉄板の「編入数学徹底研究」を買い,前期は3章までをちょっとだけやってた.
4年の夏休みで某研究所にインターンに行った.そこで分散並列計算とか,HPCに興味が出た.自分は割とハードウェア方面が好きだったので,それもあってか「これで食っていこう」と思った.
また,電通大や工芸繊維で線型空間に関する問題が出ており,勉強も兼ねて冬コミで線型空間に関する同人誌を出そうと決意した.夏休みからほんまにちょっとずつ線型空間の勉強をして,執筆も並列しつつ冬までずっとそれをやっていた.秋ぐらいから流石に進まなさ過ぎたので,岡大数学科卒の教官や,数学科志望の友人らとゼミをして理解を深めていた.同人誌はなんとか完成して売ることができた.
冬コミが終わって1月になると,TOEICなんもしてなくて焦る.4年で受けたIPが440点でやばかったので,とりあえず2/15と3/7の試験だけ予約した.今思えばめちゃくちゃ遅い(周りは12月1月くらいで終わってたりする).
工芸繊維で使えるTOEICも,~2026年4, 5月までに受けたやつだから,早めに受けて高得点を取ろう.
2/15に受けて535点で,TOEICのコツを少しだけ覚えたためIPは超えたものの,使おうにも,周りのレベルを考えるとクソしょぼすぎた.
なので,金フレの1000単語をすべて本気で覚えるつもりで,3週間ずっとAnkiで回してた.リスニングはPodcastでBBCのラジオ聴いたり,6 minutesのやつを聞きながら脳内でディクテーションしていた.問題解くのは,公式問題集を1年分2試験を一周だけやって,リーディングの練習はGeminiに問題作らしてやってた(問題が簡単すぎるので,難しくして良いと思う).
3/7に受けたやつは,英単語の覚えた分がそのまま乗っかって670点.700は欲しかったが,3週間でゼロからやった身としてはまあ頑張っただろうと思って,このまま併願で受けるところに出すつもりでいた.
とりあえず地獄のTOEICが終わったので,数学に全振りして勉強.....が,2, 3月はあまりに勉強する気が無さ過ぎて,1~3時間しか一日に勉強してなかった し,勉強してない日も全然あった.アークナイツにもハマってしまったので親に「勉強せえや」と怒られた.
6・7章進めるのが難しすぎる
5年生
3月下旬に研究室配属が決まった.研究室の本科生10人のうち9人が就職志望で,進学は自分だけだった.自分がいる研究室では異例らしく,毎年誰かしら専攻科に進学していたのが急に途絶えることとなった.自分は死んでも専攻科には行きたくなかったので,そこから新しい専攻科生が生まれることはなかった.
研配属後,成績・席次を見ると9位で,工芸繊維の推薦基準に達しておらず,絶望した.そこから何とか推薦受けれる大学を探して,広大を見つけたのでそこに向けていろいろ頑張ることにした.
4, 5月は広大を受ける準備や,いろいろゴタゴタとしていて勉強できていなかった.
受験準備
広大情報科学部の推薦試験は
成績証明書
面接調書(内容は合否の評価には関わらないが口頭試問で必要)
口頭試問
で決定する.
で,広大の募集要項を見てみると,「面接調書に,受けてる専門科目と卒研の予定 書いてちょ」とあった.所属研究室はハードウェア系で,とりあえず手を動かしてみる風潮があり,研配属が遅いのもあってか,研究テーマを具体的に決める素振りが無かった.
学内書類の期限も迫っているので,指導教官に研究テーマは何を書けばいいか仰いだ結果,指導教官が行っている研究についてとりあえず書くことにした*1 .専門科目については,情報工学実験や,Active Learningの成果(ゴミ)とそこから得た学びについて書いた.志望理由も,インターンのことを少し併せて書いておいた.
この配布されてる面接調書の形式がめんどくさい.面接調書のテンプレはPDFで配布されているが,PDFに直接文字を書き込む方法は手書き以外にない(有料ならできると思う).
どうするか考え模索した結果,TeXのパッケージで,テンプレのPDFと,本文のPDFを重ねて出力する手段を取った.
qiita.com
ここで転機があった.新しく入った指導教官のやっている研究が自分が本当にやりたい分野に近かった.その教官といろいろ相談した結果,調書に書いた研究予定と全く違うテーマの研究 をすることになった(後述).
広大の出願書類を出した後も,併願で受ける予定の九工大の書類も準備していた.
指導教官3人に面接練習を2回してもらった.広大推薦の情報が無さ過ぎたので,面接の場慣れや,喋る内容のフィードバックをもらうという気持ちでやっていた.
並列して,仲の良い弊学を卒業した大学院生にも2, 3回練習してもらった.
試験前日
試験が土曜日にあり,自分は大阪に住んでいたので,前乗りが必須だった.幸い金曜日は午前で授業が終わるので,授業を受けてから広島に行くことができた.
あまりに緊張しすぎて,授業開始前に,担当の先生に「試験めっちゃ怖いんですけど,どうしたらいいですか」と訊いてしまった.その先生は優しかったので,困惑しながらも「受かった後のことを想像するといいと思います」と言ってくれた.
家から新大阪,広島から西条が地味に距離があるので,新幹線では大阪-広島が1時間半なのに,全体で3時間もかかった.
西条に着いたら,駅前の東横インにチェックインして荷物を預けた.晩御飯は,試験前日に慣れないものを食べるのもどうかと思ったので,サイゼリヤに食べに行った.
試験当日
朝起きて支度し,ホテルをチェックアウトをしたら,西条のコインロッカーに荷物を預けて広大行きのバスに乗った*2 .
バスは学生会館前で降りた,工学部棟がそこに近いので.
降りると,自分と同じように髪をくくった人*3 から,「情報科学部受ける人ですか?会場まで一緒に行きませんか」と話しかけられたので,一緒に会場まで行った.ゴツい見た目していたのによく話しかけてきたな,と我ながら思う.
会場に着くと受験番号が張り出されていたのだが,受験者が17人もいた.ここで「あかん,これは落ちる」と少し思った.前年は9人推薦受験して全員受かったから,みんな受かると思って出願したんだろう.
待機会場に入って少し待っていると,試験監督が入ってきて,「受験票だけ机の上に出して,他はカバンにしまって待ってください」と言われた.
口頭試問は1人20分で,2人同時に各部屋で行う.17人も受けているので普通に後ろの番号の人は,何時間もなにもできないまま待つ必要があって可哀そうだと思った.自分は前の方だったので,40分待ったら自分の番が来た.
受験後
面接室を出ると,最初の志望理由が完全に詰んでいたので,落ちたとずっと思っていた.仲の良い院生に「やらかした」と連絡もした.
更に,広島に戻っているときに,電車にカバンを置き忘れ,広島駅で3時間待つ 災難にも遭った.
それでも,広島で食べたお好み焼きはうまかった.
合否発表までは,死んだ顔をしながら勉強を続けていた.
合否発表当日は補講日で,授業が終わっても発表まで時間があった.発表までは友達とゆるコンの動画を見て気を紛らわしていた.見ている間もソワソワしていた.
VIDEO www.youtube.com
12時になって,一緒に待ってくれている友達や進学組と結果を見る.合格の文字が見えると,バカでかい声で叫んだ.
「よっしゃぁぁ!!」
勉強関連
席次について
席次に関して言えば,3, 4年生の席次はめちゃくちゃ重要ではあるが,それは推薦入試の出願資格を得るために必要なのであって,それ以外の指標にはまったく関係ない .
席次が高い=頭が良い,ではない.
裏を返せば,編入体験記をいろいろ見,どれも高席次だったとしても,「ああ俺は席次低いから編入は失敗するんだ......」と思わなくていい.そもそも編入体験記の多くは再現性が無い.
筆者の成績平均は4年間,89と90を彷徨う感じだった.これで席次が8位あたりなのがバカバカしく思えるだろう!
本質的に大事なのは席次が高いかどうかではなく,絶対評価である成績点数がどれくらい取れているか.席次は成績に自動で付随する.
数学
色々な教科書・参考書をやったが,一番身に着いて役に立ったのは「線型空間に関する同人誌を作った経験 」だった.内発駆動がすべてを解決する.
数学科志望の友達や,他の仲の良い編入勢と線型空間について色々教えてもらったり教え合ったりしたのが良い経験だったと感じている.友達を作り,共に勉強する ことが一番自分のためになる.
使った参考書は以下に示す.
基本的に,例題は写経 して手順を理解し,普通の演習問題はずっと考えて,分からんかったら答え見て写経 .
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鉄板の参考書.しかし難しい! 高専の教科書の問題を一通りといて基礎を身に着けてからやるべきもの.悪くはないが,問題数が少なくてすぐ飽きる.
自分は内積までの範囲を2周して終わった.
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問題集.たくさん載ってて解説も申し分ない.数学教官から借りて,少しだけ解いた.
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徹底研究が飽きた時に買った.弱点克服シリーズの「初等力学」がわかりやすかったから,数学もそうだろうと思って解いてみると,めちゃくちゃ難しかった.テクニックの本質問題は多いが,これをやるなら大学編入のための数学問題集をやってる方がいい.単元をつまみ食いしながら解いた.
yuzhno.booth.pm
拙著. 一番役に立ったと言っても過言ではない.これを執筆してなかったら基底の定義を即答できなかった.
色々な線形代数の大学向け教科書のエッセンスをまとめて,rankと線型空間のモチベーション について書いたので(個人的には)分かりやすいと思う.これを書いた理由は,線型空間勉強するために数学教官から勧められた本(『行列と行列式の基礎: 線型代数入門』)が行間ありすぎてわかりにくすぎたから.
これら以外で数学の問題集等はやっていない(同人誌を書くのにいくらか線形代数の本は見たが,線型空間のところしか見ていない).編入数学の黄色いやつとかも買ってすらない.
振り返り
正直,自分の編入体験は運がよかったに尽きる.ダメなところが多すぎるので,良い参考にせず反面教師 にしてほしい(TOEIC遅かったり数学の勉強疎かだったり,物理の勉強やる気なかったり.そもそも出願書類の準備も後回しにしすぎている).
成績は取っておくに越したことはない.推薦基準には必要だし,研究室配属にも使うから.体感,1年の時の席次がずっと続くことが多いと思っている.特別発破をかけて勉強しない限り上がらない.
そして,勉強について.体験記ではよく「1日10時間勉強しました 」とかがあるが,ひたすら問題を解く工程を10時間しても面白くないし,普通の人間はまず10時間も続かない .
(全然勉強してない自分が言うのもアレだが)例題や演習問題を時間をかけてでもいいので,味わい深く解く ことが重要だと思う.その問題がある理由は必ずあるので,分からなくなった時に解説を見て,使われてる解法・エッセンス をスルメを食べるかの如く味わい尽くして身に着ける.そのうえで少しずつ場数を積んでいくのが重要だと思う.
みんながやってるから,と徹底研究から入って難しくて挫折したら本当に終わりだ.上位勢ではない編入したい学生には,背伸びする前に高専の教科書の簡単な問題をサラッと解いてみてほしい.解ける楽しみを経験してから挑戦すると続く.意外と高専の教科書も基礎的なエッセンスが詰まってる(証明はカスやけど)