豊原備忘録

意味わからん学生が書き物します

ブルアカ二次創作感想『雨と同棲と女子大生アコ』

はじめに

あおきみどろ先生(https://twitter.com/NEOmidori02)の『雨と同棲と女子大生アコ』の感想を書きなぐっていく.(すごい今更だが)はてなハイパーリンクの仕様等々なのかURLがまんま張り出しで長くてつらい.
C103に参加したときにやっとの思いで購入したのでかなりの期待を勝手に寄せている.

体裁

表紙はこんな感じである.めちゃくちゃエロっぽいが全年齢向けらしい.正直買うのに躊躇した気持ちもあった,どうあがいてもノーパン彼シャツみたいな見た目の肌色成分が多そうなアコがドンっと前面に出されているのだから.ブックカバーもなしに学校に持って行って読むのは気が引ける.
イラスト担当はよく透き通った絵を描いていはる連邦帰宅部員先生 (https://twitter.com/ba_fed_kitaku).員が青地で背景と相まって見えにくかった.

装丁は講談社文庫を意識してそうなカラーとフォント,あらすじ部分.ISBNコードとバーコードが印字されている...しかしよく見るとISBNが14桁だ.商用本ではないしおそらく見た目だけのものだろう.ちゃんと13桁を回避しているのは素晴らしい.
表紙はコーティングが効いた上質紙,本文部分は若干のザラザラ感.余白も障害にならない程度に問題なし.

プロローグ フォーリン・アコ

大学進学の選択肢が存在するキヴォトス世界線の描写.自分は大学受験をしていないからわからないが,当時の高専受験のことを思い出すと,合格発表の不安と胃がキリキリするような感覚を適切に共感できるように書かれている.正直トラウマを思い出しそうなくらいで.
ヒナはこの時どういう気持ちだったのかがあえて不明確な感じ,アコがむしろ頭がぐちゃぐちゃになっている感を間接的に表現していると思う.

一章 六畳半アコ神話惰性

四畳半神話大系を意識してそうな章題,笑える.滑り止めだしヒナと一緒じゃないから完全無気力モードに走る未来しかない.初手どん底
機械的生活を端的に,かつ丁寧に詳しく並べ示しててめちゃくちゃ苦しい.自分の生活よりはマシだが気持ちがわかりすぎて無,虚無.もはや一般大学生を刺しに行ってそうな勢いで静かな言葉の暴力を感じる.誰に向けても言ってないのに.

依存。依存,依存......イオン?電荷を帯びた電子?それとも,あの安めのスーパー?

ここで腹がよじれそうなくらいに笑った.ヒナにボコボコに言われたアコの茫然さをギャグで出しに来てる.普通におもろい.Twitterおもろ文学かよ.普通にアコはTwitterで単色アイコンで何かをつぶやいてるべきだと思う.勝手にフォロワーが増えていって四桁行ってほしい.それに対して変なツイートして共感と炎上の嵐に晒されている.むしろそれでストレス解消してそう.
電子自体電荷を帯びてるもんだから,電荷を帯びた原子,の誤字だと信じたいがいったん置いておこう.
キヴォトスにもイオンスーパーの概念があるのか.看板にジャスコの怨念が見えそうだ.
次の次のページくらいにもアコらしい処罰方法を考えるときに「起訴とか折檻とか。」と言うシーンがあってまた笑った.というかむしろ第一章の時点でTwitter語・文法の炸裂がキマってる.「~らしい」とか「~とか」で文章が終わるのはよくTLに流れるオタクの愚痴で見られる.アコと,これを書いたノアちゅきエレファントあおきみどろ先生はTwitterでおもろい文章を書くのに徹してほしい.

(絆スト読んでないからテキトーなことが言えないが)アコはきっと「真面目」なんだ,と思わされる.変な賭けを自分から出しておいて真面目になるし,先生にもめちゃくちゃ感情叩き述べてておいて先生が好きなのを否定するツンだし.
前者の要素でちょっと自分と一緒だ.自分は変な賭けを提示しないけど.
LINEを送るとき,しばらく会話しなかった相手に対して何を送るかとかすごい悩む.そしてまた会話が途絶える.現代オタクの痛いところをまた突いてくる.

アコは割と感情的な生徒だからか直接的な言葉で必要最低限に表現されているのがわかった.情景描写が割と少ないので読みやすい.

二章 見栄という名の制服

アコ,クソどうでもいいことをわざわざ考えるあたり自分と一緒.カレーうどん食べにくそうとか全く同じ思考してる.
「今の行政官」.ああ,リンちゃん卒業したんだ.今の,と付くだけで喪失感が突然現れる.こういう小さいレトリックがすごい.
はあ~?とまったく...しか言わなさそうな,アコと先生の会話劇.アコ,めんどくさくておもしれー女.てか,先生の服着てるけど穴開けなくて呼吸できる?
アコの楽しいのに何か寂しいという気持ち,自分すぎ.これ以上アコと重ねると何か感情がおかしくなって頭が痛くなりそう.通い妻...どこかの財務室長もそんな感じ.なんだろう,青とか銀髪の生徒は何かと妻かお母さんっぽくて世話焼きなのだろうか.という偏見.サンプリング数N=2しかない.
出た,「あの」制服.というかなんでまだ持ってるんだよ,ヒナの匂いでも染み付いているからだろうか.もしかしてこれが見栄なのだろか.あれで見栄を張ってる自信があるなら考え直すべきだと思う.第一だれがノーブラで横乳を出したがるのか.変すぎる,三重県の間違いやろう.*1意味不明な,とかまたTwitter語が出てくるし,ちょいちょい原作引用でのギャグを挟む.やっぱみどろ先生ははてなで類まれ無い文才でクソおもろブログを書いててほしい.
もうさ,お前ら結婚しろって.アコもまんざらちゃうやろ,機嫌よさそうやし.突然話しかけてくる動機が増えるのが気がかりというか...謎すぎるが...

多分アコは反動少ない拳銃撃ってても乳が揺れる,これは絶対真なんだ!!間違いない!

三章 とにかくお泊りなんです

先生のほうも結構えぐい発言してることに気づかないの,やばいと思う.(どっちも成人してるからいいけど)そういうフリに無関心なところがあるから生徒に狙われるねん,カズサとか.
ササミフライ,美味しいよな.自分も学食で出たら大体食べる.みどろ先生が私の思考をジャックしてるのか,オタク学生の生活に非常に理解があるのかわからないが共感できすぎる.むしろ怖い.
アコの「真面目性格」シーン二回目.もとから変なこと考えめぐらしやすく,素直になれない性格と酒癖の悪さかでめんどくさいメンヘラツンデレ(ツン99%)彼女感.先生,すみません,それはセクハラです.

アコが素直になれないから,無限に言い訳して泊りという名の同棲を続けていく.こういうところ,みどろ先生は解釈を丁寧に深めてて素晴らしいと思う.しかも無駄を省いて的確にアコがどういう人間であるかを書いている.俺もそれできるようになりたい.(到達しない切実な願望)

四章 今にも落ちてきそうな天の下で

自分に正直になれず,行動もヒナに付き添うばかりだったから慣れない自立生活がどこかで切れてしまって変な行動をし,後悔に長時間苦しむアコ.俺すぎてもはや泣く.
クソイライラして泣きそうなとき物理的発散で誤魔化す描写までめちゃくちゃオタクへの理解ある.無限に雨が降る.天雨姓だから関係があるのかそうでないのか.数少ない情景描写は主に雨で構成されている.雨というのは鬱陶しいし気分が悪い時に限ってめちゃくちゃ降る.微小なレトリックの差からアコの感情を分けてあえて「先生」のことを考えるときだけは直接的ではなく雨を使って毎回叙述されてる気がする.アホの自分でもわかるように書かれてる.
風紀委員と先生とカヨコ以外には冷徹な女,それが天雨アコ.でも真面目だからとにかく押しに押してくる話には負けるし,ヒナを出されるとすぐホイホイついてくる.というよりも身近に空崎ヒナという異常中の異常がいるわけで,ゲヘナ在学中は比較の苦しみをなんとか,ヒナへの献身という形で自分を正当化してきて.しかし今はいない.自分を自分で切り開くなる必要が出て,尊敬以上の畏敬の念を抱くヒナにも何も言い返せなくなってしまったくらいに将来について必要以上に考えることになった.しかしそんな導もなく放り出されてできるのは機械的に無を生きるだけ.すると,勝つとか負けるとかはどうでもよくなり,とにかく立志を達成する.そのためには真面目を捨てて不真面目(無駄に考えすぎないとか,ある趣味・行動に異常に熱中する意味で)になるフェーズに入らなければならない.アコは今そのフェーズに来ている.俺はまだそこに到達しようとしてるが,うまいこと行かない.ここで同じ路線を走ってたはずのアコがどんどん距離を離していって自分と比較してしまった.泣いた.*2 

思考がコンパクトに整頓され...

やっぱ俺と某さんの会話と関係を傍聴してるだろってレベルで展開一緒すぎる.怖いわ.*3

突然現れる嵐.ブルアカらしい終盤にやってくる重めの転の展開,みどろ先生は公式解釈の理解プロ(3回くらいこれ言ってる.) めんどくさいけど世話焼きな女,出動.
アコの言う否定語は大体反対で,好意系の意味なんだ,そうに決まってる.というみんなの共通認識そうなツンデレ解釈もすでに書いている.天才.
さすがに嵐の中でも街中で叫ぶやつはやばいと思う.
王道展開.良いと思う,アコらしいところも付け加えられてるしちょいちょいギャグが挟まるから楽しい気持ちで読めてしまう.最初から最後まで世話焼きでツンデレでめんどくさい,おもしれー女,アコ.
アコがこういう展開で「責任取ってください」っていうとそういう感じに聞こえてしまう.すぐにその案が出る先生も相当やばいと思う(二回目).
表紙通りのちょっとえっちい展開.あざす
賭けとかいうフラグ建てるなよ(微笑)

真面目パート三回目.準備に熱を入れすぎて本番ですかしてしまう,真面目人間あるある.
修羅場と言っているけど,ただの真面目勘違いアコさんのギャグシーン.

やっぱし,という最後の展開だったけど普通に求めてたハピエン.アコは最初から最後までギャグ女でいてほしいな,という思いが叶えられた.

総評

全体的に情景描写は大きい展開の部分のみで,残りは詳しく丁寧に,一節ずつ端的にアコの感情が直接描かれていた.
途中まで時間経過がちょっとゆっくりだったり突然飛んでいたりだったか読むのに支障がないくらいの展開速度だった.最後の駆け引きの部分では一秒が一分二分に感じられるほどゆっくりに書かれていて思考とセリフによる時間の感覚の変化を,日常的な点から伝わりやすく書かれていた.
しょっぱなからTwitterオタク文学節らしい文章が炸裂するため,本全体として重い展開を感じさせない文章だった.みどろ先生には無限にTwitter節で独り言をつぶやいていてほしいし,ブログも書いてほしい.読みますから.
かつ,オタク学生の怠惰な生活があまりにも的確すぎるので普通に自分を刺しに来てるかと思った.多分アコに対する解像度よりこっちのほうが高いから怖い.(アコや先生の解釈も全く違和感なく表現されてます)
先生の無意識変態性もちょくちょく挟んで,アコとの変な会話劇を繰り広げているのも,原作を踏襲していると感じた.

最後に,大変面白いラブコメを書いたあおきみどろ先生に感謝したい.日常系ブルアカ二次創作に飢えるオタクを救う神だと思っているので,今後も活動頑張ってください.

*1:何を言ってんの???

*2:不真面目になる行動は某から何度も聞かされた

*3:身内話

近況とモチベ

別にTwitterに一切浮上していないどころか,毎日ツイートに励んでいるのであまり近況報告とか意味ないのだが,なんとなくまとめる.
4/4づけで弊学が始業する.再雇用で入った教員がちょっと...って感じで,英語のモチベが99%減少した.前の担当の先生のほうがましだと思っている.あと後期も授業とレポートがガン詰まりなのが確定している.これも辛い.それよりも友達と会って会話を交わすことが増えたのでそれを求めてなんとか頑張れているという現状.前までA4ノートユーザだったが試しにルーズリーフに乗り換えてみた.写しと位置調整が面倒だったので書きやすいだろうと思ったためだ.
(関係ないけど未踏ジュニアに提案書出したけど自分がそれを完走できるかがかなり不安.面接も大丈夫かどうか)
学校でのストレスと不満・愚痴がまた再開するので春休み中より1.7倍くらいは増えると思う.自分でもケアはなんとかするが手伝ってくれたらなと思う,だれもやらないけど.

最近というか春休み以前からの問題で,あらゆる技術趣味・文化創作,読書などをやりたいと思わなくなり,むしろ無でありたいという気持ちが無限に続いている.これは由々しきことだと自覚しているがいざ行動に移せない.つらい.
重い腰を上げてアセンブラ実装とか本を買って読書を継続するなどをしているが,問題の文化創作は優先度が最も低くなっている.あれは余裕のある人がすることで,自分みたいな忙しい高専生がやることではない.あと自分は一応これでも技術趣味をメインでやりたい,という目標がある...がブルアカ二次小説とか各務チヒロに飢えているので自分で書いて供給したい欲がある.インプットが足りてないから満足いくものが書けない.だからこういう変なブログを書いている.おすすめのブルアカ二次小説があったら教えてほしい.
学校での拘束時間と課題という名の持ち帰り残業があるのでそんな自分磨きと趣味に避ける時間が確保しにくい状況が続くが,私のFFはいつものように絡んでいて問題ない.

Nand2Tetris完走の感想 ハードウェア編

はじめに

コンピュータアーキテクチャ,および低レイヤー分野の名著『コンピュータシステムの理論と実装』──通称 Nand2Tetrisを一から読んでいって,一章ずつ感想とやったことを記述していく記事である.基本的に,サンプルコードとかを全部丁寧に実装していくつもりだ.完走するのだから.とりあえずハードウェアの部分だけを書く.

www.oreilly.co.jp

実装の感想

github.com
私がどのようにハードウェアコードを実装したかはこのリポジトリの中身を見てほしい.

第一章

ブール代数の話.K専でやった内容と全く一緒だった.抽象化をやりましょうねと強く宣言している.
NANDはプリミティブ...原始的な,基礎的な論理素子で「NAND」EもできるためあらゆるものはNANDで実装できる.
とりあえず基本的な論理回路をNANDで実装してみようという感じだった.
著者オリジナルのHDLと開発環境は最初はなれなかったが,写経していくうちに感覚を肌で覚えた.
ここでめちゃくちゃGitいじりに苦戦する.後々多ビットのものになるとごり押しで解決しないといけなかった.

第二章

ALU──算術論理演算装置の実装をしようという話だった.NAND2TetrisのALUの評価についてはつよつよの低レイヤerの人たちが絶賛していた.

そのALUのアーキテクチャは,最小限の内部パーツだけから構成されてはいるが,それにもかかわらず,非常に多くの機能を持つ.それゆえ,その論理設計は「効率さ」と「簡潔さ」を示す良い手本になるだろう.

著者も自画自賛している.実際,制御ビット6bitのみで基本的な算術論理演算をすべて行えるのは大きい.しかも入力のゼロ化・反転や出力反転,AND演算しかないのに64通りの演算ができてしまうあたりはキショイぐらいには綺麗だった.


ここの実装で詰まったこととして,sub bus of an internal node maybe ...みたいなエラーがALU実装中に発生した.これは多ビット内部ピンでは[0..15]といった表記,つまりbit分割を行うことはできず,論理チップのHDL内で最初に定義された入出力ピンのみで行えるようだ.
参照
github.com

f==1のときにadd演算であることに気づかず設計していた

第三章

順序回路の話.DFFからインクリメンタとかレジスタ,メモリの実装を進めていく.
inとかoutをイタリックで書かないでほしい...
レジスタを実装するのに,inとoutを直接つなげるのは間違った設計だと一喝する文章があって笑いそうになった.ほかにも,ALUがレジスタからの入力を待っている間は「ゴミを出力し続けている」と書いている.言い過ぎだろう.
しかしこれは逆に,回路全体をクロック同期させることができるということ.幾らゴミを出していても,アキュムレータに保存するならその間に正しい入力がALUになされて「製品」がやってくるだろう.
多ビットバスを示すにはバスに斜線を入れるという知見を手に入れた.
メモリの実装の仕方で,レジスタ群をいくつか用意して,アドレスの上位ビットを群選択に,下位ビットを群中の個々のレジスタを選択するのに使うという発想がまず神がかっていた.DMuxとか3-8decoderとかを使えば機能を簡略化できる発想.

PCの実装で,インクリメント機能に多ビットFullAdderを使えばいいことに気づくまで割と時間がかかった.

第四章

一番理解に苦戦した部分.Hackのアセンブリ言語に慣れようという話.アドレッシング法とかもK専でやった.
DレジスタとAレジスタがあって,前者はデータのみ,後者はデータとアドレスをつっこんで,メモリの参照をしたい場合はAレジスタ経由らしい.シンボルラベルを活用しようという感じでもあった.

第五章

実際にHackCPUの実装をする.四章の機械語の仕様と,アーキテクチャ図を見ながら頑張ってコードを書いてく.ビット拡張とか縮小のための回路も実装した.
一回ループがあるというエラーが出たので全部書き直したりもした.

nand2tetris-questions-and-answers-forum.52.s1.nabble.com

nand2tetris-questions-and-answers-forum.52.s1.nabble.com

nand2tetris-questions-and-answers-forum.52.s1.nabble.com

こういうサイトでエラーの原因を調べたりしたので知見を共有.
キーボード入力が反応しないときはScreenモードで,キーボードアイコンを押してみよう.
ビルトイン回路の仕様を良く勧められる.ビルトインというのは,抽象化・ボックス化された回路のこと.つまり,入出力ピンと回路の簡単な仕組みさえ知っていればいいような状態のことを言う.わざわざNANDとかほかの論理素子で実装しなくていいようになっているということである.

ハードウェア実装を通した感想

本を購入してから5章分の実装までかなり時間をかけてしまったが,HDLコードを書いて回路を実装しているときはパズルを解いている感じで楽しかった.そのうえ接続ミスなどバグがなければ正しく動いてくれるのだから,その時の喜びは計り知れない.
NAND2Tetrisは後半からブーストをかけていくが,前半できちっと基礎をやっておくことで後半の高レイヤー部分でも常にハードウェアのことを意識するためだろう,という予想がついた.
丁寧に一個ずつ話を進めていくから手を動かしやすかったし,理解にさほど時間もかからなかった.著者のアーキテクチャの設計があまりにも神過ぎることも肌で感じたようだった.

後半のアセンブラとかVMコンパイラ実装をする話もそのうち書いていく.はず.

『16bitセンセーション』の感想 1~3話

はじめに

Kの友達と先輩に,オタクな感じでPC98が出,NECとかKeyが制作協力してるからとおすすめされた.実際前々から古くディープなコンピュータオタクそうな雰囲気のアニメとして存在は知っていたが,あんまり見る機会がなかったので時間が空いている今見ようと思った.
クッソネタバレなので見てない人は見ないほうがいい.著作権に引っかかったら消す.




LAYER 01「タイムリープしちゃったぁ~!?」

アキバの描写が丁寧すぎる.ラジオ館とか高架があるあのクソデカ大通りの風景がまんま.FGOとかリコリスの,パロディではないがっつりモノホン広告が張られてた.情報取得早いからオタクのパワー感じる.
構内・車内の音がリアルなせいで若干脳が変になる.むしろキャラも現実にいそうな感じする.SNSの見た目は古い.
Key作品どころかギャルゲしたことないからよくわかってない.でも実際日本のコンピュータ黎明期とギャルゲの黎明期は時期が一緒.
キャラの見た目だけじゃなくて心情を理解し自分が心動かされることがオタクとしての道を作っていそう.
大体零細はクソや!w 会社辞めろとまず進言するおばあちゃん,メンタルバケモン.
ホラー展開始まって不穏.FD!?お前まだ生きてたのか.そして長寿なデザイン古めのミスド.田中無線.なんか聞いたことあるぞ
すみません,キーボードが趣深すぎてわろてまう.FDDが現役...30年の進化を感じる.Aドライブwww
アセンブラ直叩きしてるんですがそれは.実際,98もアセンブラ叩かなあかんっぽいな.黎明期の学生コンピュータオタク.消費税という単語がまだ聞き新しかった時代...

LAYER 02「いっしょに美少女ゲーム作ろ!」

はい少女漫画あるある展開.FDD搭載のPC98だ~16bitコンピュータの趣を感じる.
OPの流れるアセンブリ,どのアーキテクチャ・命令セットなのかわからん.多分98のアーキテクチャ
ラジオ館,昔はこんな渋かったのか.ポケベルは草
ASM拡張子だ.黎明期感じる.「タイムトラベラー」という枠.iPad Proはイラストレーター御用達のデバイス
便利すぎるデバイス.ソフトウェアばかり使ってたら最低限の装備しか与えられてないときは詰む,わかる.
俺,この金属部分触ったらダメと習った,俺はわかるんだ.昔からの粗目のドットならタイリングがそれなりはっきりしつつも濃淡が結構しっかりある.ドット塗りを初見で1日でやるのレベル違うな.
アセンブリは機能がかなり制限されてるし高度なプログラムを作ろうとすると容量制限で詰む.N2Tでやったマップドメモリ(I/O)のことを考えると案外できるんじゃね...と思った.ただし命令セットについて知り尽くしていないといけない.美少女ゲーのおかげで一般に美少女普及したのは一理ある.キショイオタクの熱意には筋が通っている.

LAYER 03「もう一度みんなに会いたくて!」

なんで戻ってるんですかねぇ...もしかして反復する感じか.この作ってたものが取り扱い終わってるの,悲しい.
タイムリープするたびにゲームソフトごと消費するシステムかい.在庫尽きたら死.4年はラグありすぎ...
windows98のパターン...でもGUIになっただけいいだろう.98じゃないとダメとか,厄介オタクだ
パッケージがそのままなの,ちゃんと公式に制作協力があるからリアリティに磨きがかかってる.最高.
確かこの時代はオタクという存在が悪みたいな感じだったと思う.nifty...黎明期のインターネットプロバイダ.
厄介オタクのせいで開発が滞るの,まだ互換性とか低かったローカル色強い時代だなと解像度が高いアニメ.
アーキテクチャが違うからか?というか今のその端子は今の時代ほとんど無いです.256MBでは何もできません.アンチGUI OSの面倒な奴だ.割と初心者に優しい設計になったとはいえ,機械いじりの側面も大きいからPCについての最低限の知識は必要.

何者にもならない旅 東尋坊編

移管直前の北陸本線

天気予報を確認し,居住地域と北陸の天気が問題ないことを再確認.
最寄り駅から新大阪駅まで向かい,そこから湖西線乗り入れをする敦賀行き新快速に乗った.最高営業速度130km/hで進みながら途中日本一長い貨物ターミナルの吹田貨物ターミナルを横目に高槻に向かっているとき,荷物と会話内容から18きっぱーの男三人組が北陸本線と今日の旅程を話しているようだった.実際,車両内にも何人かキャリーバッグを携える人がいた.
この時から嫌な予感は募っていた.加えて日帰りでクソみたいな謎の旅行を一人でやる自分に哀れさを感じた.旅行一緒にしようとなる友達がいないため.*1

近江今津に到着するまでずっと立っていた.通勤客だろうから仕方ないなぁと思っていたら,京都では全然下りなかったしむしろ増えた.通路を塞ぐように立って,京都についているのに動かないおじさんがいて少し腹が立った.切り離し時間もあるから方向幕でも撮っていると,満員になりそうだからすぐ乗った.切り離し時間は思ったより短く作業が速かった.前4両は京都で切り離し湖西線敦賀行き,後8両は琵琶湖線米原行きとなっている.多分車両を乗り間違えて移ってきた人がいた.

めちゃくちゃ文字が詰まった方向幕

大津京おごと温泉とか近江舞子とかはまあなんもないわけなんだけど,にしても京都で降りなかったような人も全く下りない.この時,全員北陸に行くんじゃないかと少し不安がよぎった.敦賀から福井に向かう列車の本数は少なく,かつ両数も短いので4両にかけている乗客を2両に押し込まれるとまずいからだ(座れないし).北陸本線が3/16のダイヤ改正によって18きっぷで満喫できない三セク路線への移管があって,いろいろJRのキャンペーンもあるため特急サンダーバードしらさぎはほぼ満席なのはもちろん,安くいこうとする人間在が存在するため来線普通列車にもしわ寄せがくる.さすがに自分もわかっていたことだが,ゆったり本を読んで行こうなんてことはできなかった.

敦賀駅に着くと,向かいの福井行きにほとんどの乗客が走っていく.表札を撮っていたから立たざるを得なかった.車内はぎゅうぎゅう詰めで身動きがとりにくい.先に言うと敦賀から福井までずっと立っていた.

外にある敦賀駅表札

敦賀を出ると,日本でも屈指の山岳トンネルの「北陸トンネル」に入った.サンダーバードに前に乗ったときのアナウンスで「出るのに8,9分かかり,圏外になる」を言っていたことを思い出した.しかし当日のニュースを見ていると北陸トンネルに回線を引いて圏外にならないようにする計画が立っていると知った.三セクになってユーザーが増えるという見込みがあるからだろうか.
今庄で特急の通過待ち*2の時には,おじさま方が「自分らも18きっぷで来たで.歳は70やけどなハハハ」とジョークを飛ばしていた.特急が遅れていて10分以上待ったと思う.

二日後に北陸本線から消えるサンダーバード

敦賀駅の北陸方面の時刻表だが,ほとんど特急で各停の人権がない.サンダーバードに加えてしらさぎも走るので余計にクソ時刻表になる.福井とか金沢に出るために短距離*3で特急課金をするブルジョワ生活を強いられるのかと心配になった.
福井に着くまでは『ご冗談でしょうファインマンさん』を読んでいた.ファインマンが博士論文を6週間で仕上げ,その後ロスアラモスで原爆の開発に携わるエリートさをみてレベルが違い過ぎると思った.あと妻の死に関する話でエモい部分もあった.

福井到着

鯖江や武生を過ぎて,なんとかして福井駅に着いた.終点だからぞろぞろ降りて行った.階段を下って乗り換えでもするのだろうかと思っていた.自分は福井でもう終わりだから実際どうしていたかは知らない.

到着するしらさぎ
自分たちを運んだ521系

あらかた写真を撮って駅を出る.すると北陸新幹線延伸のカウントダウン看板が立っていた.北陸民としては北陸新幹線の延伸は歓迎モノなようだ.実際富山のKの人間曰く,大阪より東京に行くほうが良いし,そっちに行きやすくなることは嬉しいらしい.

えちぜん鉄道,通称えち鉄に乗って三国港駅に向かう.ワンマン一両でバスみたいなシステムだった.ローカル線ならよくあることだ.
驚いたのが,ICに対応していないのだ.これは完全に調査不足だった.持ち金が少なかったので大丈夫かなと心配になった.一応三国駅にファミマがあったからお金をおろせそうだと気づいたので安心した.
三国まで長い...ちまちま駅に止まって一時間かけて行く.道中,充電したいなと思って電線を探していたが,忘れたことに気づいた.バッテリーだけ持ってくるというヘマをしてしまった.福井に戻ったらセリアで線を補給する計画を立てた.

やっと三国港駅に着く.古い見た目の駅舎で趣深かった.プラットフォームも落ち着いていて,いい感じのローカル駅.

三國港驛舎
東尋坊

三国港駅を降りて少し道路を渡ったところにバス停がある.車内案内でも,10分くらいでバスが来ると案内されていたので待った.乗車時間を調べると8分で東尋坊についてしまう.めちゃくちゃ近かった.


ついに東尋坊に着く.人生で一度は来たかった場所だから,最初は興奮気味だった.しかしそれよりも風がとても強い.晴れていたからその風も気持ちいいものではあった.景色も近くのカフェから展望するととても見晴らしがよく,空と水平線の境界が良く見えた.

エモな景色

写真を少し撮ってもらった.不機嫌そうだったようですまないという気持ちになった.


階段を下りて海岸線の方に向かう.岩がデコボコしていて足場がとても不安定.風も強いから踏み外したら確実に終わりだと悟って弱腰になった.断崖だが岩のせいで淵がわかりにくく,知らずに落ちるという恐怖もあった.しかし,写真やSNSで見た景色を今間近で見る感動はそれと同じくらいの強さだった.吹き荒れる風が波を強くして潮が飛んでくる.

海岸

別に崖の先のほうまで行かなかったし,観光客も割といて抑止になっていた.そもそも自分は割と重い装備で来てしまった.無料の荷物預け場があるのに気づいていたのに使わなかったのには後悔した.
職質された人の例
note.com

崖の下の方に降りたりするなど段差を乗り越えるので一苦労になり,1時間ほどで疲れてしまった.その後は潮風を浴びていたが,無の気持ちになった.
仏さんに供養しにいってから東尋坊を後にした.

帰路

福井でのトランジットの間に充電ケーブルと頼まれたはや川の羽二重餅を買いに行った.セリアにケーブルがあって本当に助かった.常備しておこう.
とりあえず敦賀までは行きと同じように帰る.混雑していなくてガラガラだった.
敦賀に着くと,新快速の接続が一切なく,近江今津での各停乗り継ぎを余儀なくされた.しんどかった.
FFの人がおすすめしている帰りの会の『第三呼吸速度』を聞いて,ギターの入りがいいなとエモい感傷に浸った.

いつか見れなくなる電光

敦賀や福井,金沢の方は三セク移管しても来るかもしれないが,東尋坊に関しては次来るときは大丈夫な時に来れるようにしたい.ちゃんと観光目的をもってバリバリに観光しに行くつもりだ.

*1:宿泊先が近いか同じという条件で,複数人で行くならOKらしい(?)から誰か行きましょう

*2:時刻表を見るとこれがかなり辛い.本数も少ないからさっさと三セク移管したほうが良いと思った理由にもなった

*3:実際は結構遠い.福井でも一時間かかる

サイバ東京,自警団

俺は今誰かに追われている
逃げなければ。。。ああ、トー横のクソガキに捕まった。こいつらはめんどくさいんだ、歌舞伎町のイかれた警察も相手しない。だから俺たちみたいな自警団がこいつらをしばいている。それは聞いてたのが10年前までで最近はガキどもは地下のアダチとかいうところで売り捌かれるジャンク銃を改造しているらしい。粗悪だが1発当たれば必死の火力だ、なんとしても爆風に巻き込まれてはいけない。
「おい、さっさと歩けよ」
渋々従う。多分アダチにあるアジトに連れていかれると思う。何をされるのかは予想がつくが想像できない。今俺は非武装であることを忘れてトー横に来てしまった。ここはジャンキーキッズの集まりだ。連れていかれる最中改造AKとか撤退した自衛隊から鹵獲した89式とか装甲車を見た。裏社会でのさばってきた奴らでも質の良い小銃を使い、手探りで訓練をしている。かつ大体は中高生でそこら辺の大人よりもこの「サイバ東京」、中でもトー横とか歌舞伎町の地理には詳しい。圧倒的な武がある。

知らないうちにアジトに連れていかれているようで、そこで目が覚めた。管理が甘すぎるのか牢に小銃があったが,弾倉はない。アイスマウンテンオブヤマト出身の俺はこういう時のための脱出訓練を受けていなかった。変な田舎で育ちろくな設備がないところに拾われて自警団訓練を受けたから、一撃特攻ばかりの想定だった。当時は教育なんてなかったからいずれは死ぬもんだと思っていた。しかし今それが怖い。

仲間から連絡が入った.「Die or Kill」ただ一言だった.orとか言っているが殺して死ねということだ.そんなことはどうでもいい.俺はまだトーヨコのクソガキどもどころかサイバ東京の人間ですら吸ったことがない良質な大麻ジャックをキメていない.アスベストでできた壁はもろく,息を止めながら少しずつ破壊する.体内時計だけは正しかったのか外から光差す.眩しい,ガキどもはこの時間寝てるか気絶しているかで,俺らと違い太陽を知らない.

無線で連絡したのち団員の宇沢がやってきた.アホだが生粋のショットガンとクレイモアの使い手だ.さっさとそこら辺に落ちてる鹵獲銃でも拾ってKBH(関西のブラックホール)に帰るぞ,と言った.「移動はどうするんだ,この頃アルミの値段が上がって新幹線の車両を爆破テロかハイジャックでもして売りさばくのが増えて毎日見合わせだぞ」と返した.すると「あいつらは5Gと電磁波に弱いんだ.俺らもアルミホイルを巻いておけば安全だし自警団連合が秘密裏に通してるリニアも使える.」

そういったこんなでリニアに乗ってKBHに向かう.あいにく鹵獲銃は持ち込めないようだから分解して使える部品だけ取っておいた.最近東京周辺の原発が狙われて電力供給も全く追いついていない.首相の岸野は無能だから解決にこぎつけようともしない.ただこれに関しては無能であってもそうでなくても関係ない.第一放射能ですでにあふれる東京湾に船なんか出せないからだ.

KBHに着くときれいな空気を肺一杯に吸う.自警団駐屯地は駅のすぐそこだから,歩いていく.

技術者の街,刈谷

Kariya Micro Maker Faireの一日目の出展者ミーティングにて,「愛知で初めて開催されるMFなので,刈谷市内の学校などにチラシ配りまくりました」と説明があった.東京や京都の大規模なMaker Faireでは聞いたことがない熱意を感じた.
刈谷市,特に刈谷駅の近くにはトヨタ傘下のデンソーの工場があるし,トヨタの工場もある.またほかにも工業系の会社が集中している.そんな感じで,技術関連のことには敏感に,熱意をもって市全体でイベントを盛り上げようとしているのではないかと思った.出展やスポンサーにデンソートヨタが出ている感じだった.

奈良高専TechRingで出展した様子では,意外と技術者家族がいて,興味を持ってくれる人が多いなと思った.まあそもそもMFに来るような家族はそういう形の人が多いのかもしれないけど,それは置いておく.
4時間ほどだったが結構疲れた.寝違えて首が痛いのもあったし.OSC Osakaで会った人とここで再会したりもした.近くに奈良高専出身の人もいた.
あと有名な発明家(?)の北九州高専出身のBBコリーさんとも会って話したし,みやこ電子工房さんともCPUについて語り合った.いい経験だったと思う.


SecHackの発表会があったがその話をすると俺が悲しくなるのでしない.知り合いが何人か出ていたが.思い出してサイゼでドカ食いした.おひとり様で悲しく食っていた.

シャワーを浴びる.疲れているのに湯船につかる設計じゃないユニットバスが嫌いだ.
ゴタゴタしていると21時,22時と時間が過ぎる.ああ本も読んでいないNAND2Tetrisもしていないとちょっと焦燥感に襲われる.文化的技術的創作をやらなければならないという観念に,ゆったりすべき旅先で脳のリソースを割かれるのはよろしくない.今日は文化的インプットをしたほうがいいと思ったので本を読むことにしよう.