豊原備忘録

意味わからん学生が書き物します

何者にもならない旅 東尋坊編

移管直前の北陸本線

天気予報を確認し,居住地域と北陸の天気が問題ないことを再確認.
最寄り駅から新大阪駅まで向かい,そこから湖西線乗り入れをする敦賀行き新快速に乗った.最高営業速度130km/hで進みながら途中日本一長い貨物ターミナルの吹田貨物ターミナルを横目に高槻に向かっているとき,荷物と会話内容から18きっぱーの男三人組が北陸本線と今日の旅程を話しているようだった.実際,車両内にも何人かキャリーバッグを携える人がいた.
この時から嫌な予感は募っていた.加えて日帰りでクソみたいな謎の旅行を一人でやる自分に哀れさを感じた.旅行一緒にしようとなる友達がいないため.*1

近江今津に到着するまでずっと立っていた.通勤客だろうから仕方ないなぁと思っていたら,京都では全然下りなかったしむしろ増えた.通路を塞ぐように立って,京都についているのに動かないおじさんがいて少し腹が立った.切り離し時間もあるから方向幕でも撮っていると,満員になりそうだからすぐ乗った.切り離し時間は思ったより短く作業が速かった.前4両は京都で切り離し湖西線敦賀行き,後8両は琵琶湖線米原行きとなっている.多分車両を乗り間違えて移ってきた人がいた.

めちゃくちゃ文字が詰まった方向幕

大津京おごと温泉とか近江舞子とかはまあなんもないわけなんだけど,にしても京都で降りなかったような人も全く下りない.この時,全員北陸に行くんじゃないかと少し不安がよぎった.敦賀から福井に向かう列車の本数は少なく,かつ両数も短いので4両にかけている乗客を2両に押し込まれるとまずいからだ(座れないし).北陸本線が3/16のダイヤ改正によって18きっぷで満喫できない三セク路線への移管があって,いろいろJRのキャンペーンもあるため特急サンダーバードしらさぎはほぼ満席なのはもちろん,安くいこうとする人間在が存在するため来線普通列車にもしわ寄せがくる.さすがに自分もわかっていたことだが,ゆったり本を読んで行こうなんてことはできなかった.

敦賀駅に着くと,向かいの福井行きにほとんどの乗客が走っていく.表札を撮っていたから立たざるを得なかった.車内はぎゅうぎゅう詰めで身動きがとりにくい.先に言うと敦賀から福井までずっと立っていた.

外にある敦賀駅表札

敦賀を出ると,日本でも屈指の山岳トンネルの「北陸トンネル」に入った.サンダーバードに前に乗ったときのアナウンスで「出るのに8,9分かかり,圏外になる」を言っていたことを思い出した.しかし当日のニュースを見ていると北陸トンネルに回線を引いて圏外にならないようにする計画が立っていると知った.三セクになってユーザーが増えるという見込みがあるからだろうか.
今庄で特急の通過待ち*2の時には,おじさま方が「自分らも18きっぷで来たで.歳は70やけどなハハハ」とジョークを飛ばしていた.特急が遅れていて10分以上待ったと思う.

二日後に北陸本線から消えるサンダーバード

敦賀駅の北陸方面の時刻表だが,ほとんど特急で各停の人権がない.サンダーバードに加えてしらさぎも走るので余計にクソ時刻表になる.福井とか金沢に出るために短距離*3で特急課金をするブルジョワ生活を強いられるのかと心配になった.
福井に着くまでは『ご冗談でしょうファインマンさん』を読んでいた.ファインマンが博士論文を6週間で仕上げ,その後ロスアラモスで原爆の開発に携わるエリートさをみてレベルが違い過ぎると思った.あと妻の死に関する話でエモい部分もあった.

福井到着

鯖江や武生を過ぎて,なんとかして福井駅に着いた.終点だからぞろぞろ降りて行った.階段を下って乗り換えでもするのだろうかと思っていた.自分は福井でもう終わりだから実際どうしていたかは知らない.

到着するしらさぎ
自分たちを運んだ521系

あらかた写真を撮って駅を出る.すると北陸新幹線延伸のカウントダウン看板が立っていた.北陸民としては北陸新幹線の延伸は歓迎モノなようだ.実際富山のKの人間曰く,大阪より東京に行くほうが良いし,そっちに行きやすくなることは嬉しいらしい.

えちぜん鉄道,通称えち鉄に乗って三国港駅に向かう.ワンマン一両でバスみたいなシステムだった.ローカル線ならよくあることだ.
驚いたのが,ICに対応していないのだ.これは完全に調査不足だった.持ち金が少なかったので大丈夫かなと心配になった.一応三国駅にファミマがあったからお金をおろせそうだと気づいたので安心した.
三国まで長い...ちまちま駅に止まって一時間かけて行く.道中,充電したいなと思って電線を探していたが,忘れたことに気づいた.バッテリーだけ持ってくるというヘマをしてしまった.福井に戻ったらセリアで線を補給する計画を立てた.

やっと三国港駅に着く.古い見た目の駅舎で趣深かった.プラットフォームも落ち着いていて,いい感じのローカル駅.

三國港驛舎
東尋坊

三国港駅を降りて少し道路を渡ったところにバス停がある.車内案内でも,10分くらいでバスが来ると案内されていたので待った.乗車時間を調べると8分で東尋坊についてしまう.めちゃくちゃ近かった.


ついに東尋坊に着く.人生で一度は来たかった場所だから,最初は興奮気味だった.しかしそれよりも風がとても強い.晴れていたからその風も気持ちいいものではあった.景色も近くのカフェから展望するととても見晴らしがよく,空と水平線の境界が良く見えた.

エモな景色

写真を少し撮ってもらった.不機嫌そうだったようですまないという気持ちになった.


階段を下りて海岸線の方に向かう.岩がデコボコしていて足場がとても不安定.風も強いから踏み外したら確実に終わりだと悟って弱腰になった.断崖だが岩のせいで淵がわかりにくく,知らずに落ちるという恐怖もあった.しかし,写真やSNSで見た景色を今間近で見る感動はそれと同じくらいの強さだった.吹き荒れる風が波を強くして潮が飛んでくる.

海岸

別に崖の先のほうまで行かなかったし,観光客も割といて抑止になっていた.そもそも自分は割と重い装備で来てしまった.無料の荷物預け場があるのに気づいていたのに使わなかったのには後悔した.
職質された人の例
note.com

崖の下の方に降りたりするなど段差を乗り越えるので一苦労になり,1時間ほどで疲れてしまった.その後は潮風を浴びていたが,無の気持ちになった.
仏さんに供養しにいってから東尋坊を後にした.

帰路

福井でのトランジットの間に充電ケーブルと頼まれたはや川の羽二重餅を買いに行った.セリアにケーブルがあって本当に助かった.常備しておこう.
とりあえず敦賀までは行きと同じように帰る.混雑していなくてガラガラだった.
敦賀に着くと,新快速の接続が一切なく,近江今津での各停乗り継ぎを余儀なくされた.しんどかった.
FFの人がおすすめしている帰りの会の『第三呼吸速度』を聞いて,ギターの入りがいいなとエモい感傷に浸った.

いつか見れなくなる電光

敦賀や福井,金沢の方は三セク移管しても来るかもしれないが,東尋坊に関しては次来るときは大丈夫な時に来れるようにしたい.ちゃんと観光目的をもってバリバリに観光しに行くつもりだ.

*1:宿泊先が近いか同じという条件で,複数人で行くならOKらしい(?)から誰か行きましょう

*2:時刻表を見るとこれがかなり辛い.本数も少ないからさっさと三セク移管したほうが良いと思った理由にもなった

*3:実際は結構遠い.福井でも一時間かかる